夏本番。夏休みを一斉休暇でとる企業では、休暇中の従業員の緊急連絡網や会社の防犯対策を整備する他、休暇に入る前にデータのバックアップ等もきちんと行いましょう。
来月(9月)は、社会保険料の定時決定結果の反映等、給与業務は忙しくなります。ただでさえ夏休みで稼働日数が少ない8月。計画的に業務をすすめてくださいね。
半日単位の年休を導入する際の留意点
4月から、年5日の年次有給休暇(以下、「年休」という)の取得が義務化されました。年休の取得率を向上させるための一つの方法として、「半日単位の年休制度の導入」を検討する企業が増えています。
従業員の声から生まれた制度
年休はそもそも、暦日(0時から24時までの24時間)を休息に充てることを前提に設けられた制度です。したがって、法令では「半日単位の取得」は想定されていません。
一方で、従業員側からは「半日で済む用事の時は、半日だけ年休を取りたい」という要望も多く、行政通達によって、「従業員がその取得を希望して時季を指定し、企業が同意した場合には半日単位で取得することが認められる」旨が示されています。
「半日」単位の考え方
日単位の年休を導入する場合、この「半日」はどう捉えたらよいのでしょうか。
「半日」の定義については、法令等で明確な定めはなく、各企業で合理的な方法で決定する必要があります。一般的には、休憩時刻を基準とする方法と所定労働時間の半分とする方法が考えられています。
次の会社の例で考えてみましょう。
始業時刻:9時 終業時刻:18時 うち、休憩が正午から13時までの1時間
所定労働時間:8時間
?@休憩時刻を基準とする方法
休憩の正午を基準とする場合、半日単位の年休は、前半が9時?12時の3時間、後半が13時?18時の5時間となります。
しかしこの場合、前半・後半のいずれを取得するかによって、取得できる時間数が異なってくるという課題が生じます。
?A所定労働時間の半分とする方法
この方法では、所定労働時間の8時間を半分とし、前半を9時?13時、後半を14時?18時として扱うことになります。
この場合は、休憩時間をどのように扱うかが問題となります。休憩時間が正午から13時である場合、前半が9時?14時(うち休憩1時間)となります。法律上、6時間以下の場合には休憩時間を設ける必要はないため、場合によっては、半日単位の年休で前半を取得するときには、休憩を設けない方法として9時?13時(休憩なし)とすることも考えられるでしょう。
半日単位の年休の制度を設けるかどうかは従業員の要望と企業の判断によりますが、設ける際には何をもって半日とするかについて事前に取り決め、就業規則で明確に規定しておきましょう。
■参考リンク
厚生労働省「確かめよう労働条件」