地に足の着いた差別化推進のために
2014年1月17日
Feeeのような会計ソフトも登場し、従来の税務会計処理だけでは存在価値が無くなってくると危機感を感じている事務所も多いようです(こういう危機感って、とても大事だと感じますが)。
先日、新宿の某会計事務所に訪問した際、差別化のためにコンサルメニューを増やそうと思うのだが、名南さんの場合はどんなコンサルメニューを持っているのか?とのご相談がありました。
医療機関の顧問先が圧倒的に多いと言うので、医療法人化、医療法人の事業承継、接遇コンサル、診療圏調査、事務長代行、開業コンサル・・・と伝えていくと、
「なるほど、それらのコンサルができるようにするには、かなりの時間やコストがかかると思うが、後から十分回収ができるということかな。大変そうだが、今のままではいけない。何から始めようか。」と幹部らに所長が投げかけました。
何か違和感を感じました。
しばらく、所長や幹部のやりとりを聞いていて、ふと、「ところで、顧問先様のニーズはどこにあるのですか?」と尋ねてみました。
すると、「しーん」となり、お互いに顔を見合せるだけで、誰からも答えが返ってきません。
私の中の違和感がどこにあるのがわかりました。顧問先のニーズがわかっていないまま、新しいサービスを用意することで打開策を打とうとしている点でした。
名南とは地域も違い、ライバルも多く、顧客層や関係性も異なるかもしれない中で、このまま進めていくと、取り組みが的外れになるリスクもあります。
状況を詳しく聞いていく中で、「顧客ニーズに合ったサービス開発」を目的とした「報告書システム」を現在導入いただいているMyKomonを使って構築することをご提案してきました。
この事務所の取り組むべき課題は、コンサルメニューを持つことよりも、まず顧問先のニーズにもっと耳を傾けて、それを所内共有し、対策を検討する機能を持つことだと感じ、その具体策をお伝えした形です。
ドラッガーも言っているとおり、顧客のニーズをよく聞いて、そこにあった商品サービスを用意すれば、売ろうとしなくても自然と売れていく、それこそがマーケティングだということです。
「目の前のモヤモヤしていた霧が晴れたようだ。」とおっしゃっていただけました。
今後、ご提案の内容を具体的に現場に落とし込むサポートをさせていただくこととなりました。
”会計事務所ほど、経営者の懐に入ってニーズが聞ける立場は無い。ドラッガー的なマーケティングが最もやりやすい環境が会計事務所にはある。その立場をいかに捉えて事業に繋げるか。”
それがセオリーだとあらためて認識した次第です。
この記事の監修
若山茂樹
株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー