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コラム

COLUMN

楽しい給与計算活用事例共有会

2022年12月16日

先日、MyKomonの「楽しい給与計算」をご利用されている大阪の会計事務所の先生方にご協力いただき、パネルディスカッションを行いました。
主にお聞きしたテーマは、次の4つです。

順に、お聞きできたポイントをご紹介いたします。

1.導入の背景(どんな課題があったのか?)

● 手書きやエクセルで給与計算している顧問先は、ミス(単純な計算ミスのほか、社会保険料が更新されていないなど)が発生し、顧問先も担当者もリカバーのための無駄な労力が掛かっていた。
市販の給与ソフトを導入いただくまでもない小規模先であり、何とかしたかった。この対策に「楽しい給与計算」が使えるとわかった。

● 月次は弥生給与を使って給与計算をしてもらい、年末調整の際に達人にインポートするのが標準形だった。しかし、弥生給与の年間コストの負担感が大きい小規模先が多く、困っていた。一時期は、5人まで無料のフリーウェイのソフトを顧問先にお勧めたこともあった。年末調整までできる、よくできたソフトだったのですが、最後は達人で電子申告したいのに、達人には取り込めなかった。
そんな中、MyKomonの「楽しい給与計算」は達人にデータインポートができることがわかり、導入を進めることになった。

2.導入を進めるにあたって障害になったこととその対応策は?

● 最初は、新しいソフトを使うことに抵抗を示すスタッフもいたのは確か。
でも、使い続けていくうちに、便利さがわかったのか、年々、楽しい給与計算を使うスタッフが増えて、今ではほとんどのスタッフが楽しい給与計算の操作ができる。
顧問先に対しては、担当者が一緒にマニュアルを見て、丁寧に設定をするなど、手厚くサポートすることで、操作の不安を払しょくしていった。この活動は担当者と顧問先との関係性を深める機会にもなったと思う。

● 当事務所の場合は、楽しい給与計算を顧問先に提供する前から、電子会議室を顧問先に提供していた。MyKomonに入るまでは、TELやFAXやメールといった一般的なツールを使っていたが、どうしても、担当者と顧問先とのやりとりがブラックボックス化してしまう。
そこで、事務所の連絡ツールとして「電子会議室」を推し進めた。一部の顧問先を除いて、ほとんどの顧問先に電子会議室が入っており、同じIDでログインして使う「楽しい給与計算」への障壁は低かったのだと思う。ただ、それでも、新しいものを使うことに抵抗を示す人はもちろんいた。
そんな顧問先には、給与計算のミスが起きた場合のストレスを思い出してもらい、源泉や社保が自動計算されること、クラウドなので事務所側からも早くチェックできることなど伝えると、やる気になってくれた。導入のハードルについては、事務所側で初期設定をし、過去分を入力するなどで低くすることができたと思う。

● 新しいことにすぐ取り組むスタッフもいれば、腰の重いスタッフもいるものですが、当事務所の場合は、対象先をピックアップしたうえで、徹底管理しました。
ピックアップした先を「導入のしやすさ」でABCの3つにランク付けし、最初は、難易度の低いA先だけに提案させて、スタッフに成功体験を積ませるようにしました。進捗状況を毎月チェックし、全ピックアップ先への提案が大体終わるまでに、3年くらいは掛かりました。
こうした管理は大事ですが、その前に「導入を推進する意義・目的」をしっかりスタッフに伝えて合意形成をすることが大切だと感じています。

3.導入の成果と成果の出た企業の特徴は?

● 紙やエクセルでの給与計算先は年末調整の効率化は相当進んだと思う。
導入先の特徴というと、弥生給与がはまらなかった小規模な会社、経理担当がいない会社、あるいは、創業期で体制が整っていない会社などがある。
年商10億ほどで、パートも含めた給与支給対象者が100名ほどもいる顧問先にも最近楽しい給与計算を導入してもらった。成長スピードが早く、そのスピードに合う体制ができておらずに、経理がグチャグチャになっていた。
給与計算も人がどんどん増える中で、社長がエクセルでやっていたが、間違いも多かった。楽しい給与計算を入れて、ミスが無くなり、業務改善ができた。
現状、自社で年末調整をしている先には弥生給与、会計事務所で年末調整を請け負っている先には楽しい給与計算を提案している。

● 年末調整の際、TKCのシステムへのデータ取り込みがスムーズなので、これが一番の成果。
クラウドなので顧問先に給与データの請求をしなくても、データを取りに行って、TKCのシステムに流し込める。ミスも無くなり、品質が良くなり、相当大幅に年末調整の工数が削減できたと思う。会計の処理をする際も、給与台帳を請求しなくてもデータが見れるので、余分な手間がない。
あと、手書きやエクセルで給与計算されている企業は、ちゃんとした給与明細を従業員に渡せていない。綺麗な給与明細が出せるようになったことも大事な成果だと思う。
50社前後の企業が楽しい給与計算を導入している。社労士さんが給与計算をしている先以外には、楽しい給与計算を導入してもらっている。

● 全件とは言わないが、ほとんどの顧問先に源泉の納付書を年内に送付できるようになった。
年明けからは法定調書や償却資産税の申告に移れる。確定申告業務にも早く着手できるようになった。
年調から確定申告までの会計事務所にとっての超繁忙期が改善できたのが大きい。給与計算業務が楽になった顧問先のメリットも大きいと思う。

4.今後に向けての取り組んでいきたいことは?

● WEB明細を推進していきたい。
当事務所のスタッフの給与は、外部の社労士さんに計算してもらっているが、給与の振り込みと給与明細を印刷して封入してスタッフに渡すのはずっと自分がやってきた。在宅職員には郵送する作業もあった。
MyKomonのWEB明細を導入してみて、振込以外の作業が無くなったので、とても楽になった。間違いがあってはならない作業なので神経も使っていたが、精神的にも楽になった。
身をもって経験ができ、大きなメリットを感じているので、今後は顧問先のためにWEB明細の提案を推進していきたい。

● 当事務所ではコロナ禍前から、年に一回年調業務が始まる前にセミナーをやっていた。
年次業務なので、忘れてしまっていることもあるし、最近は改正も多かったので、年調業務の注意点のおさらいや改正点の説明などを当事務所のスタッフが講師となってセミナーでお知らせしていた。それによって不安なく年調業務に入ってもらっていた。
顧問先様の奥様方が集まる機会になり、給与がらみでいろんな疑問点の解消もでき、盛り上がる。
コロナ禍になり、オンラインで継続しているが、参加者からの評判も良いので、今後は年一回でなく、もう少し頻度を増やして、内容も年末調整や給与に限らず、幅広く情報提供する場にできたらと思っている。
その中で、WEB明細などのMyKomonのツールも含め、便利なITツールやエクセルの便利な機能なども紹介していきたい。

パネルディスカッションの様子は録画しました。
近々、ご希望の会計事務所がご覧いただけるようになる予定です。

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。