人手不足の課題が一気に解決し、生産性が劇的にUPした事例
2020年6月25日
人手不足で「採用」が慢性的にテーマとなっていた税理士事務所に、先日ご訪問しました。
スタッフ7~8名(うち、パート2名)の事務所で、税理士の所長は、顧問先回りでほとんど外出している状況で、ほかに税理士はおらず、所長が外回りの合間に事務所にTELを入れて、指示・管理をしていたが、どうもスタッフの業務がスムーズに回っておらず、人手不足感をいつも感じていたという訳です。
ところが、新型コロナウィルスで緊急事態宣言が全国に発令された際に、「密接を避けるために、Zoomを使ったオンライン面談に切り替えましょう。」と顧問先に提案し、事態が事態なので顧問先も承知してくれた結果、仕事の仕方が一変し、嘘のように人手不足の課題が解消されたとのことでした。
「オンラインに切り替えることで、移動時間が消え、雑談が減るからか商談時間が短くなり、結果的に1日に面談できる数は2倍になった。それに自分がずっと事務所にいるので、スタッフの業務がよく見えて、必要な時にすぐに的確に指示ができる。自分自身も空き時間で所内業務ができるので、劇的に生産性が高まり、人手不足どころか、人手の過剰感すら感じる状況となり、パートさんの出社日数を減らしてもらった。顧問先も(すべてではないが、画面共有での説明がわかりやすいなど)案外オンライン面談を評価してくれており、緊急事態宣言解除後もしばらくはオンライン面談を上手に活用していく。」・・そんなお話でした。
コロナに関係なく、「移動時間の無駄」を認識している事務所は多く、もし、オンライン面談に切り替えられたら、間違いなく生産性がアップするだろうとわかっていながら、顧問先の反応が気になり、値下げ要求を恐れ、リアル面談の価値も自身が認識できるので、「会って話すのが価値だ。」と自分に言い聞かせて変化を起こさずに来た。それが多くの事務所の実態であろう。
ところが、コロナパンデミックという緊急事態に背中を押され、やむを得ず、変化に取り組んでみたら、想定以上の生産性向上になり、想定外に顧問先もオンライン面談を評価してくれたという皮肉な事実が浮かび上がる。
雑談の中にこそ顧問先満足や顧客創造に繋がる大切な素材があるものなので、雑談のしやすい環境はオンラインでも意図的に工夫して作り出す必要があるし、それがリアル面談であるならば、移動ロスなどは気にせず、積極的に会いに行くべきだと思うが、少なくとも、今のような特別な機会に、オンライン面談を何回か経験し、良し悪しを知って、顧問先のニーズに合わせた面談手法の選択肢を用意できるかどうかは、今後の展開に大きな差を生むのではないかと思った次第です。
オンライン面談を軸に、会計事務所のビジネスモデルが変わるかもしれないとさえ感じます。
■Zoom https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
■B-Room https://www.broom-online.jp/
■Teams https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/microsoft-teams/group-chat-software
いろんなオンライン面談ツールを試してみては?
この業界ではZoomの利用者が多そうです。ちなみに私達はB-RoomとTeamsを主に使っています。
この記事の監修
若山茂樹
株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー