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コラム

COLUMN

決算業務の標準化は図れるか?

2015年2月28日

確定申告、3月決算・・・と、この業界は1年で最も多忙な時期に入りましたね。
決算で必ず必要となるの業務が「残高合わせ」ですよね。BS科目は勿論、主なPL科目についても「あるべき残高」と「会計ソフト上の残高」が一致しているかを確認し、その過程で、仕訳漏れや科目間違い、異常値の発見を行い、修正仕訳を入れていく作業です。そして、この「残高合わせ」にどのぐらい時間がかかるかが、決算業務の所要時間を決めると言っても過言ではありません。
つまり、決算業務の生産性を高める上でカギを握る業務が「残高合わせ」なのですが、それにも関わらず、この業務のやり方は担当者によって様々で、精度も所要時間も担当者任せになっていることが多いようです。


もう随分前になりますが、私達は属人化している残高合わせの業務を標準化するために「決算内訳拾いシステム」というものを作りました。
会計ソフトからエクスポートされた仕訳データと残高データをそのシステムに取り込むと、各勘定科目について摘要明細別の集計表が自動作成され、仕訳漏れや異常値の発見が迅速にできるというものです。
全員が同じシステムを使って残高合わせをすることで、上司もチェックがしやすくなり、仮にインフルエンザ等で出社できない仲間がいても、作業途中になっている残高合わせの業務を代わりに取り組むのが容易になります。

また、最近お会いした某会計事務所さんでは、「製版分離」により、120件もの顧問先の月次試算表を1人の正社員と4人のパートだけでこなしています。詳しくはまた次回お会いした際にも教えてもらおうと思っていますが、どうやら、ネットバンキングからのデータ取り込みと、トヨタのカンバン方式の採用があるようです。
しかも「12ヶ月目の試算表と決算整理仕訳後の最終値に大きな差異があったら、試算表の価値がない。」というポリシーを所内で共有して、精度の高い月次決算を行っているので、決算は非常に効率よく終わっているそうです。実際、2月19日に訪問した際には、「医業先を除いて、もう今年の確定申告はメドがついた。」とおっしゃっていました。世の中には凄い事務所があるものです。

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。