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コラム

COLUMN

現実的な収益改善と差別化の事例

2016年7月30日

先日、ある税理士先生から、「収益改善」の取り組みをお話しいただきました。
とても印象に残るよい話が聞けたので、ご紹介させていただきます。


・誰もがやれる記帳代行や法人税申告は、価格競争がますます進む

・価格を下げれば、その分、数を追わねばならないが、1件当たりの作業工数は変わらないため、
 スタッフは疲弊する。


・そもそも、企業数が減少していく時代で、顧問先数を追う戦略には無理がある。


・そこで、誰もがやるわけではないM&Aの評価や各種助成金申請、事業再生支援、組織再編、
 事業計画策定、会議支援・・・などの付加価値業務
に取り組んだ。


・既存業務もやりながらなので、徹夜することもしばしばだった。


ふと、気づいた。自分にはできても、うちのスタッフには到底できない業務だと。


自分1人が必死にスポットで稼いで、スタッフに還元したところで、スタッフは幸せになれない、と。


・ドラッガーも、プレーイングマネージャーは悪だと言っている、と。


・現在のスタッフのレベルでも、顧問先に提供できる現実的な付加価値サービスを創造すべきだと。
 
・そこで始めたのが、ビジネスコーディネートサービス。


顧問先に紹介すると喜ばれる提携先をガンガン増やす。


・事務所に掛かってくる営業電話をすべて自分に回してもらい、「一期一会」と思ってとにかく営業マンに会う。


・10社の営業マンに会えば、1社ぐらいはお宝サービスに出会える。


・興味あるサービスは、営業マンに所内説明会を開いてもらうか、自事務所で試用してみて、理解を深める。


・提携する会社とは互いに紹介手数料制度をつくる。


・スタッフは、顧問先のニーズに寄り添い、提携先を積極的に紹介する。


・スタッフが解決できない課題も提携先が解決してくれる。


・スタッフには、「自らの提案により顧問先の問題が解決できた」という喜びを感じてもらえる。

・顧問先に紹介した結果、成約したら、紹介手数料をもらい、その一部を紹介したスタッフに還元する。

・スタッフには、売上が上がる喜び、給料が増える喜びを感じてもらえる



こうした取り組みが成功し、今年はスタッフ16名で、年間4000万円ものスポット売上目標を目指せるまでに
なったとのことでした。何より、スタッフ全員が、自ら顧問先に提案する行動力を身につけ、顧問先に喜んでもらって自信をつけ、仕事に喜びを感じてくれているようになったのが大きいと話されていました。


会計事務所は、企業経営者から本音のニーズを聞ける特別なポジションで仕事をしており、
上記のようなビジネスコーディネートは、とても現実的な収益改善策であり、差別化策でもあると感じました。

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。