会計事務所向け生産性向上ツール

コラム

COLUMN

採用難の中で工夫している会計事務所の事例

2022年6月23日

会計事務所の採用

会計事務所を訪問していて、人の採用で苦戦している事務所が本当に多くなったと最近実感します。

「採用募集しても全然来ない!」という類の話を多くの訪問先でお聞きします。

会計事務所業界は、世の中の景気が悪い時は堅実な資格業に魅力を感じる人が増えて採用がしやすくなり、逆に世の中の景気が良い時は、より待遇のよい業界に人が流れやすくて採用難になると言われていました。これは素直に喜べない話ではありますが、景気に浮き沈みがあるのはやむを得ず、採用チャンスの時期が繰り返し訪れること自体は悪い事ではなかったわけです。

景況感は悪いが有効求人倍率は増加

しかし、最近の景気は良いとは言い難い状況ですが、会計事務所にも人が集まりません。

内閣府と財務省が6月13日に発表した4~6月期の法人企業景気予測調査においても、大企業全産業の景気判断指数(BSI)はマイナス0.9で、2四半期連続でマイナスとなりました。

ロシアのウクライナ侵攻で原材料価格が高騰し、調達コストの上昇懸念が企業の景況感を悪化させています。

一方で注目すべきは有効求人倍率の推移です。4月の有効求人倍率の全国平均が「1.23」です。昨年4月が「1.09」で、ジリジリと高まり続けています。他業界での求人が増えると残念ながら不利になる会計業界です。https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/shuyo/0210.html

採用難の中での工夫実例

このような採用難の中で、いろんな工夫が起きています。以下、いくつかご紹介します。

・某会計事務所では、テレワークとフレックスで好きな時間にどこからでも仕事ができる体制にして、主婦層などが空いた時間に「今から1時間だけやりま~す」を可能にした。

大事なのは採用するときに理念に共感してくれて、頑張ってくれそうな人を選ぶことだそう。
テレワークで働く環境があるか無いか?は採用をする上で差が生まれるそうです。

・某会計事務所では、ハローワークとホームページで募集しているだけにも関わらず20名ほど集まるようになった。

駅直結のビルにオフィスを移したのが大きかったそう。同地域ではホームページに気を使っている同業者が少ないので、相対的に有利になったとも考えられるとのこと。

・顧問先を担当者として対応してくれるスタッフが欲しいが
「会計事務所スタッフ」「税理士 補助業務」などで募集しても人が来ないので、「経営コンサルタントを目指す人」を募集してみたら、元気で対話力のある営業経験者が来るようになった。

実務知識は、採用してから覚えさせればいいと発想を変えてよかったそう。

参考になれば幸いです。

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。

Related Article

一緒に読みたい関連する記事