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コラム

COLUMN

インボイス/免税業者の救済で年末にかけて一波乱?

2022年11月4日

最近の話題はインボイス

会計事務所を回らせてもらう中で、今、最も話題に出ることの1つが「インボイス」です。
・適格請求書発行事業者の登録申請がどの程度進んだか?
・免税事業者や課税売上1,000万円前後を行き来するクライアントへの説明をどうするか?
など。

後者については、最近にきて、免税業者向けの経過措置(80%控除)に修正が入るという噂もあるので、来月の税制改正大綱を見てから動いたほうが良いのではないか、という話を時々聞くようになりました。

80%控除の経過措置が100%控除になる?

噂話が出る背景には、日本商工会議所が9月15日付で出した「令和5年度税制改正に関する意見概要」において、「消費税インボイス制度の導入延期を含めた対応」として

  1. 免税事業者からの仕入について100%控除の容認
  2. 徹底的な申告書の簡素化
  3. 届出不要で原則簡易課税の適用
  4. 3万円未満取引は帳簿保存のみで仕入税額控除適用

等が提言されたことが影響しているようです。
https://www.jcci.or.jp/r5zeisei_ikengaiyou.pdf

先立って、日本税理士会連合会は5月26日付で、「インボイス制度の円滑な導入・実施に関する提案」において、免税事業者が市場取引から排除されることを防止するために、インボイス制度導入後3年間(令和8年9月30日まで)は、免税事業者等からの課税仕入れの80%については仕入税額控除ができるとした経過措置を、令和8年10月以降も当分の間維持することが提案されていましたが、中小企業の実態を踏まえて、日商がもう一歩踏み込んだ100%控除を提言したようです。
https://www.nichizeiren.or.jp/whats-new/20220606a/

昨年末の改正電帳法に対する宥恕措置のように、インボイス制度についても年末に向けて、一波乱ありそうな様相です。

★こちらも参考に
日刊工業新聞・ニュースイッチ
「このままでは大混乱…インボイス導入へ露呈する準備不足」
https://newswitch.jp/p/33998 
公正取引委員会の
「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。