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コラム

COLUMN

目標設定の仕方を変えて決算業務が改善した会計事務所

2014年3月20日

2013年分の確定申告が終わり、ほんの少し落ち着きを取り戻した会計事務所さんもおられることでしょうし、一方、確定申告で手一杯になった分、1月決算法人や2月決算法人の決算業務の進捗が進んでおらず、引き続きバタバタされている会計事務所さんもおられることと存じます。

この時期、「来年はもっと早く、余裕を持って確定申告が終了するように改善したい。」とあらためて課題を感じる時ではあるのだが、具体化に着手するには余裕が無く、結果的に時が過ぎ、大した改善ができぬまま、1年が経ってしまうということもあるような気がします。
喉もと過ぎれば何とやら・・・・とならぬよう、まずは一歩だけでも改善の具体化に着手したいところです。

さて、ある会計事務所の経営者から、こんな話をお聞きしました。

「『3月10日までに確定申告を全件終わらせる』という目標を掲げても、大した業務改善はできなかったが、
『2月15日までに確定申告を70%(OO件)終わらせる』という目標を掲げたら、スタッフの仕事の仕方が
変わった。」

全スタッフから2月15日までに終わらせる顧問先リストを出させ、業務ごとの進捗件数を追ったというのです。
目標の掲げ方を変える前は、全件一律の業務進捗期限(例えば、資料回収期日1/31)が設定されていたこともあり、顧問先Aからの資料回収ができていても、他の担当顧問先の資料回収をすることを優先し、顧問先Aの資料は棚に寝たままになっていたが、目標設定の仕方を変えたことによって、資料回収できたところから決算整理業務を進めるようになった。
担当者の手元で止まっている業務が動き出したことで、検算者の手元で何件もの申告書が滞留することも緩和され、結果的に業務改善が進んだというのです。

業務の進捗管理をする際、各業務の期日設定の仕方は重要で、全件一律の期日設定をすることは
かえって生産性のダウンに繋がることもあるので注意が必要だと気づかされ、大変よい勉強になりました。

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。