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コラム

COLUMN

NPSを活用した顧問先との信頼関係強化の方法

2024年10月21日

1.はじめに

税理士事務所でも時折耳にする「顧客満足度(CS)」という指標は、顧問先の満足度を測るために広く使われていますが、「NPS(Net Promoter Score)」という指標をご存じでしょうか?

NPSは、顧客が企業やサービスに対してどれほどの信頼を持っているかを測定し、数値化するためのツールです。顧客満足度とは異なり、NPSはその企業やサービスを他者に推薦する可能性を基準に評価されるため、顧客のロイヤリティをより正確に測ることができます。

2.NPS(Net Promoter Score)とは

NPSとは、顧客が企業やサービスに対してどれだけ推薦したいと思うかを数値で表す指標です。これは、単なる顧客満足度を超えて、顧客のロイヤリティや企業への信頼度を反映します。NPSは、顧客が他者にどれほど積極的にその企業やサービスを推奨するかを把握するための重要なツールです。

3.NPSの測定方法

NPSの測定方法は非常にシンプルです。一般的には『サービスを家族や友人にどれくらい勧めたいですか?』と尋ねますが、税理士事務所の場合は、『仲間の経営者や友人にどのくらい薦めたいですか?』という質問をします。0~10の11段階で回答を求めます。これらの回答を基に、推奨者、中立者、批判者の3つのグループに分類します。具体的には、「9・10」と回答した顧客を「推奨者」、「7・8」を「中立者」、「0~6」を「批判者」とします。そして、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSとなります。

たとえば、10件の顧問先から回答を得た場合、推奨者が4件(40%)、中立者が4件(40%)、批判者が2件(20%)であれば、NPSは推奨者の割合40%から批判者の割合20%を引いた数値で、20%となります。NPSはプラスの数値が高ければ高いほど、顧客がその事務所を信頼し、推薦する意向が強いことを示します。

4.NPS向上のための取り組み

NPSを向上させるための方法は2つあります。1つ目は、推奨者を増やすことです。事務所のサービス品質を向上させ、顧問先に対する価値提供を強化することで、満足度が高まり、推奨者が増えるでしょう。特に、迅速かつ的確な対応や、専門的なアドバイスを提供することで、顧客はその事務所を他者に推薦しやすくなります。

2つ目は、批判者を減らすことです。サービスが期待に達していないと感じる顧客が減少するよう、業務プロセスの改善や標準化を進めることが重要です。誰が担当しても一定以上の品質のサービスを提供できる仕組みを整えることで、顧客の不満を解消し、批判者の割合を下げることが可能です。これにより、自然とNPSが向上します。

5.定期的なNPSの測定の重要性

NPSは一度測定して終わりではなく、定期的に実施することが推奨されます。これにより、顧問先の信頼度やロイヤリティの変化を継続的に把握し、必要に応じて改善策を講じることができます。

たとえば、NPSの低下が見られた場合、サービスのどの部分が顧客にとって不満足であるかを分析し、早期に対策を講じることで、事務所全体の評価を維持・向上させることが可能です。

6.終わりに

顧客満足度を目指す多くの会計事務所にとって、NPSは非常に有効な指標となります。
この指標を活用することで、顧客の信頼度を数値で把握し、事務所のサービス改善に役立てることができます。
ぜひNPSを取り入れて、顧問先との関係をより強固なものにしていきましょう。

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