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コラム

COLUMN

「スタッフのレベルアップを図りたい」・・・知識の前にスイッチ

2021年10月23日

会計事務所のスタッフのレベルアップを図ろうとする際、どんな視点で、何をすべきかについて考えていきます。

顧問先を担当するスタッフの場合、お相手すなわち企業経営者とコミュニケーションをとり、相談対応や提案等が適切にできるようになってもらいたいですよね。

そのために必要なのは、知識や情報だと考え、書籍や雑誌、教育動画などを与えて勉強させようとしても、思うようにレベルが上がらないとか、そもそもスタッフが勉強しないとかといった現実に頭を悩ませる所長先生が少なくないようです。

これはスタッフがまだ「知りたい」という欲求を持っていない状態であると考えます。大切なのは、まず顧問先に関心を持つことです。どんな事業なのか、どんな取引先があるのか、社長はなぜこの事業をやっているのか、何を目指して、何を大事にして経営をされているのか、・・・関心を持つことによって、興味が沸き、コミュニケーションが進み始めます。決して話し上手でなくて構いません。口下手でよいのです。相槌を打ちながら、興味のあることを聞かせてもらうのです。「人は自分に関心を持ってくれる人のことが好きになる。」と言われます。スタッフが顧問先社長に関心を持つことで、社長もスタッフに好意を持つようになり、スタッフにもそれが伝わり、社長から何か相談されると、「何とかして差し上げたい。」という感情が沸きます。

これが「知りたい」という欲求に繋がり、知識を吸収しやすい状態になります。乾いたスポンジのように知識が吸収されていき、スタッフの血肉になり、顧問先にフィードバックすることで、喜ばれ信頼されて自信がつき、学ぶことの価値を実感することでしょう。これが「スイッチ」の入った状態だと言えます。

さて、この状態に持っていくために会計事務所としては何を用意したらよいでしょうか?

スイッチが入った時、「知りたい」と思ったときに、調べ物がしやすい環境を与えたいですね。キーワード検索で、確かな知識情報が得られるデータベースや、動画や音声による解説ツールなどです。

そして、顧問先各社の情報(下の画像のようなカルテのほか、過去の面談記録など)も整備し、できればいつでもどこからでも検索できるようにクラウド化できるとベターです。

また、いつでも前担当者や先輩・上司に相談できるような環境・雰囲気づくりも大切です。私が名南経営に入った時、「新人は先輩や上司を捕まえて、好きなだけ質問ができる特権がある。迷惑にならないか?とか気にしなくていい。先輩たちも新人の時は、周りに世話になっているので、喜んで教えてくれるはず。そして、自分が一人前になったら、受けた恩恵を後輩に返して欲しい。」と言われたのをはっきりと覚えています。こうした文化が根付いている組織に身を置けたことが有難く感じています。


(参考)会計担当者養成動画 /form/lp_yosei/

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。