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コラム

COLUMN

原理原則に基づいた言葉の定義で人材教育を進める会計事務所

2014年2月25日

先日、雪の積もる中、東北の某会計事務所の所長先生にお会いしてきました。

内外の人材教育に力を入れておられるとのことで、大変有益なお話を聞かせていただきました。


ポイントは、「原理原則に基づいて言葉の定義を行い、徹底的に暗記させる。」ということなんだそうです。

自分の経験や誰かの考えによる言葉の定義ではなく、原理原則に基づいた言葉の定義だから、誰の腹にも落ち、かつシンプルで明確です。

例えば、顧問先の後継者に、「(中小企業の)経営者の仕事とは何ですか?」と聞くのだそうです。
すると、「事業を回すこと」、「人を育てること」、「会社を守ること」、「顧客を創造すること」・・・などなど、

いろんな答えが出てくる。どれも間違った答えではないと思いますが、

原理原則に基づいた定義をすると、中小企業の経営者の仕事とは、「意思決定すること」と「資金調達すること」なのだそうです。

なるほど、確かに明確で、わかりやすく、納得感のある定義です。

また、原理原則に基づいた定義は、応用も効きやすいのが特徴だと気付かせていただきました。

例えば、顧問先に経営計画・予実管理を提案して、やる気になってもらいたい場合、


税理士先生「OO社長、経営者の仕事とは何ですか?」


OO社長 「意思決定と資金調達ですよね。」


税理士先生「はい、その通りですね。じゃあ、意思決定の結果がどうなったのかを数字で検証することは
        必要ですよね。」


OO社長 「もちろん、そうですね。」


税理士先生「OO社長、それが経営計画の予実管理です。」


OO社長 「なるほど、経営者である私の仕事ですね。」


と、すんなり、その気になってもらえるのだそうです。


原理原則に沿っているので、提案もブレず、聞いた人の腹にすんなりと落ちる。


近年、税務会計だけでは将来が立ちいかなくなるのではないかという危機感から、経営計画・予実管理といったMAS業務に取り込もうとする会計事務所が多くなってきていますが、顧問先に必要性を理解してもらうのが大変だという話を聞くことが少なくありません。
上記のようなアプローチは参考になるのではないでしょうか?

この記事の監修

若山茂樹

若山茂樹

株式会社名南経営ソリューションズ取締役
カスタマーサクセスグループ・ゼネラルマネージャー

1992年に新卒で名南経営に入社し、会計事務所の担当者を経験しました。
20代前半の新人でも、お客様はお金の事や制度手続きの事などで意見を求めてきますので、会計事務所の役割の重さを感じると伴に、学びと経験の大切さを痛感しました。
会計事務所の活躍が日本の中小企業に成長と発展をもたらします。
会計事務所の活躍を支援したい。それが我々のミッションです。